2018.12.21,

共働き家庭の年賀状事情「やめたい」57%!分業夫婦・ワンオペ家庭で捉え方の違いも

今年も残り10日になりましたね。クリスマス気分に浸っていたらあっという間にお正月……。世の中が、私たちの日常が、忙しなく動くこの季節。

そんな師走のTODOリストに欠かせないのが、「年賀状」。

共働き未来大学では、11月29日〜12月5日まで、共働き家庭の年賀状作成に関するアンケート調査*を行い、103名からの回答を得ました。

年賀状離れに歯止めがかからない昨今ですが、共働き家庭にみる年賀状事情やいかに。
まずは回答者属性から。

 

 

「面倒くさい」「出したくない」と思う人が半分以上

「思い切って出すのをやめました」という回答も見受けられましたが、今回の調査で「出していない」と答えたのはわずか6%。ほとんどが「出している」と回答しつつも、その内情は実にさまざまでした。

 

そもそも年賀状づくりというのは、共働きかどうかにかかわらず、よほどこだわりを持っている人や作ることが好きな人を除き、何かと面倒くさい作業という位置付けではないでしょうか(ちなみに、そんな私も正直面倒だなと思う一人。ただ一旦取り組み出すと凝り性な性格がむくむくと顔を出し夜通し作業していたことも)。宛名面は印刷やラベリングするという人であっても面倒くささは変わらず、重い腰を上げて取り組む作業だということがわかります。

 

年賀状づくりについて「正直いやいややっている(季節業務と割り切っている)」と答えたのは全体の76%にのぼり、「楽しんでやっている」の8%を大きく引き離す結果になりました。

 

そんな割り切っている人たちのホンネを聞いてみたところ、「SNSやメールで十分」と感じている人が最も多く、21%に。実際、回答者全体のSNSの利用頻度は高く「家族、友人との日常的なコミュニケーションはLINEでしている」は全体の89%、「Facebookを週に1回以上見る、投稿する」と答えた人も73%いたことを考えると、「SNSでいいじゃん!」と思うのはもはや当然のこと。

 

中には、「知りもしない子どもの成長を毎年見せつけられるのが嫌(自由回答)」、「(会う気もないのに)今年こそは会いましょう、と書き続けるのってどうなんでしょう…(自由回答)」といった回答もあり、誰の何のための年賀状なのかがわからない(なのに手間だけはかかる)というモヤモヤが感じられました。

 

さらに共働き家庭ならではの意見として、「私も働いているし忙しさは夫婦間で変わらないはずなのに夫の年賀状(約60枚)もデザインを変えて私が作っている負担感たるや。完全なワンオペです!」というものも。実際、共働き家庭の63%が妻が全て作成と答えていました(ちなみに夫のみは4%、夫婦分業は33%)

 

それでも「やめない」が圧倒的…そのワケは!?

「嫌ならやめたらいいじゃん!」というのは言うは易く行うは難しというもの。

そうスパっと割り切れないのが年賀状。実際、アンケートでは、「文化だから」「もらうと嬉しい気持ちになるのは確か」「年配やお世話になった方にはご挨拶が欠かせない」といった声が多くあり、みなさんモヤモヤしつつも書き続けているという実態がクリアになりました。SNSも利用頻度は高いとはいえ、つながっているのは家族や学生時代の友人、ママ(パパ)友、職場の同僚など実生活でも割と親しくしている人であることが多く、年賀状だけのおつきあいの人には出し続けなければならない。……そうなると結果的に例年どおり全ての人に送ろうというところに落ち着く人も多いようです。

 

かつてはお付き合いの属性ごとに5パターンの作り分けをしトータル120枚もの年賀状を作っていたという30代会社員(2児の母)は、このような工夫を教えてくれました。

 

下の子が生まれてからは私も仕事と家庭の両立が大変だったので、思い切って年賀状にかける時間を減らそうと思いました。やはり全く出さないというのは抵抗がありましたので、部分的にやめるという判断をして、12月の頭ごろFacebookに「ここで日頃交流のあるお友だちへの年賀状は失礼させていただくことにしました」と投稿しました。友人からの反応が気になりましたが、案外「そうなんだねー」「了解!」といったものが多く、特に理由などは聞かれませんでした。なーんだ、って感じで拍子抜けしました(笑)

 

Aさんによると、Facebook以外にも、LINEでママ友や旧友などを中心に同様のメッセージを送った結果、夫婦合わせて70枚減らすことができたのだとか。残りの50枚は、親戚や夫の仕事関係(会社の風土的に書かないわけにはいかない)や結婚式の来賓など。デザインも2パターンに絞ったら作業時間がぐっと減って楽になったと喜んでいました。

 

Aさんのように、一気に0枚ということではなく、人間関係を顧みながら工夫していくのもいいですね。ネットでは「子どもの写真がウザい」などの投稿から議論になることもしばしばありますし、そんなニュースを見るたびに、「相手毎に配慮しなきゃな」と思う人もいるかもしれません。実際、今回の調査でも57%の人が送る相手別に2パターン以上の作り分けをしていることがわかりました。しかし、あまり気を遣いすぎて作業ボリュームが増え自分が疲れてしまっては元も子もありません。そんなブラックな働き方は避け、送る・送らないの判断をしてもいいのかもしれません。

 

作業分担している家庭は比較的楽しんでいる傾向が

今回の調査で、興味深い結果が見えました。家事育児の夫婦間の分担のように、年賀状においても夫婦で作業分担をしている家庭のほうが「年賀状づくりは楽しい」ようです。

「夫婦で年賀状に使う家族写真を探しながら今年一年を振り返る時間が好き(自由回答)」、「SNSももちろん利用しますが、年賀状にはSNSにはない手書きの良さがあると思うのでSNSに関係なく書いています。子どもの寝かしつけをした後、夫とこたつに入ってみかんを食べながら3日間かけて手書きすると年末だなって思います(自由回答)」

こうした回答からは、年賀状を通して夫婦の時間を楽しむようすが伝わってきます。大掃除や帰省準備でバタバタする我が家からするととても羨ましいです。

 

調査によると共働き家庭の年賀状作成のピークは仕事がお休みに入る前後の12月25日〜29日。年賀状に限らず、忙しい中でのタスク消化、少しでも楽しみながらできるといいですね!

 

(*)アンケート調査は2018年11月29日〜12月5日までオンライン上にて実施しました
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました!

Posted by 小山 佐知子

共働き未来大学ファウンダー、ワーク・ライフバランスコンサルタント
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