2019.06.13,

ついに梅雨入り! 体の調子を崩しやすいこの季節の天気予報活用法

こんにちは! プロジェクトメンバー・ライターの今井明子です。

新年度が始まって2か月。そろそろ疲れがたまってくる季節ですよね。

 

我が家もご多分に漏れず、先日下の子が体調を崩しました。40℃の高熱がなかなか下がらず毎日不安でしたし、熱が下がったあとには下痢になって、ずいぶんと保育園を休んでしまうことになり、仕事のやりくりに苦労しました。

そして、ようやく登園できるようになり、「これでようやく仕事がはかどる…!」と安心していると、2週間後にまたもや下の子が胃腸風邪に! 今この原稿も、保育園を休んでいる下の子の細切れ睡眠中に「まだ起きないで~」と思いながら書いています。

 

こんな状況は、うちだけのことではないようです。同じクラスのほかの子どもたちも、症状はそれぞれ違いますが、誰かしら体調を崩して休んでいます。

 

4月で新しい環境になり、少し慣れたころにGWの長い休みが来て、また通常生活に戻るというこのサイクルで、つい心身の調子を崩してしまう……。そんなことが決して珍しくないのだなと実感しました。

 

体調がすぐれないのは、自律神経の乱れが原因

 

さて、子どもだけでなく、大人もこの季節は体調がいまいちすぐれないという声をよく聞きます。我が家も例外ではなく、「次に倒れるのはどっちだ…?」という緊張感を抱えながら日常生活を回しています。

 

それにしても、なぜGW明けに体調を崩す人が多いのでしょうか。

その原因のひとつとして、気温の激しい変化が挙げられます。特に今年のGWの前半、東京では防寒着が手放せないほど寒い日がありました。かと思えば、後半は半そでで過ごせる日もあり、数日間の間に季節が早春から初夏の間を行ったり来たりするような印象を受けました。

 

また、休みになるとつい朝寝坊し、その影響で夜更かしをしてしまいがちです。連休でそんな日が長く続くと、いざ休み明けに出勤(子どもは登園)のために早起きするのがつらいものです。こういった生活リズムの変化も、体調不良につながるのではないでしょうか。

 

このような気温の変化や生活リズムの変化は、自律神経が乱れる原因となります。

自律神経とは、体の外から受ける刺激に対して体の反応を調整する役割があります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は体をシャキッとさせて活発に活動できるようにするよう働きかけ、副交感神経は体をリラックスさせるように働きかけます。この自律神経の働きがうまくいかないと、痛みを感じたりだるさを感じたりするようになるのです。

 

気温の変化や生活リズムの崩れだけでなく、気圧の変動も自律神経の働きに影響を及ぼします。

喘息のお子さんの場合、台風が近づくと発作が起きるという話をよく聞きますが、これも決して偶然ではなく、気圧の変化と関係しているからだと考えられています。

 

喘息ではなくても、低気圧が近づくと頭痛やめまいに悩まされる大人は結構多いです。こういった体調不良は、家事や育児がなかなかはかどらなくてつらいですよね。特にワンオペで育児をしている場合は、「とにかく横になりたい……。誰か家事と育児を代わって~!」と思いますし、そんなときに子どもにグズられると、「泣きたいのはこっちだよ!」と叫びたくなってしまうものです。

 

GW明けというのは、ちょうど季節の変わり目で、しばらくすると梅雨が始まります。梅雨どきは気圧が低いだけでなく、湿度が高く、日によって気温の差も大きくなります。雨の日が続くと、精神的にも落ち込みやすくなったり、ぼんやりと頭がいたくなったりする人が多いようです。

 

ただし、同じ気圧の変化を感じても、体調が悪くなりやすい人となりにくい人がいます。『天気痛を治せば頭痛、めまい、ストレスがなくなる』(佐藤純著、扶桑社)によると、どうやら内耳が敏感な人は、このような気圧の変化で体調が悪くなりやすい傾向にあるそうです。というのも、気圧の変動は、耳の奥にある内耳が感知し、脳に伝達して自律神経をコントロールするからです。たとえば、乗り物酔いをしやすかったり、新幹線や飛行機に乗ると耳が痛くなりやすかったりする人は要注意といえるでしょう。

 

気圧や気温の変化が原因の体調不良のことを気象病といいます。

気象病をある程度防ぐためには、自律神経を安定させやすい生活習慣を送ることが大切です。たとえば、朝食を抜かずに13食食べる、適度に体を動かす、ゆっくり湯船につかる、しっかり睡眠をとるなどです。

まあ、小さい子どもがいると、こんな基本中の基本と思えるようなことでもなかなかできないんですけどね!

 

ちなみに、梅雨どきは、毎日雨が降るのではなくて、ところどころで晴れ間ものぞきます。

『低気圧女子の処方せん』(小越久美著、小林弘幸監修、セブン&アイ出版)によると、天気と逆のイメージの行動で自律神経のバランスを整えるのがよいそうです。晴れた休日はゆったりと公園でピクニックをして、雨の休日は室内の遊び場でハッスルするなんていう過ごし方もいいかもしれませんね。

 

予防が難しくても、「今の体調不良は気圧のせいかもな」「もうすぐ体調が悪くなりそうだ」とわかっていれば、ずいぶんと気が楽になりますし、「ちょっと手抜きして無理せず過ごそう」ということもできます。

 

そのためには、天気予報のこんなところにも注目してみましょう。

 

  • 天気図で低気圧や前線、台風が近づいていないか
  • 天気図の等圧線は混んでいないだろうか(等圧線の間隔が狭いほど気圧の変化が急激になります)
  • 天気予報で「大気の状態が不安定」というフレーズが出ていないか(「大気の状態が不安定」とは、急な大雨をもたらす積乱雲が発生しやすい状況で、急激に気圧や気温が変化する可能性があるということです)

 

天気予報は、「子どもに雨具を持たせたほうがいいか」「洗濯ものは外に干したほうがいいか」だけではなく、体調管理にも役立つツールなのです。大人も子どもも、上手に天気予報を活用して、この季節を乗り切りましょう!

Posted by 今井 明子

酒メーカー商品企画部、印刷会社営業職を経て、2004年より編集者&ライターに。2012年に独立。気象予報士の資格を生かし、母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。 家族は夫と2014年生まれの長女と2018年生まれの長男。
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