こんにちは! 共働き未来大学プロボノ・編集ライターの山田です。
さて、「副業元年」と言われた2018年から早1年、さまざまなメディアでその働き方がクローズアップされました。中でも “ 複業 ” という言葉を目にする機会が多かったのではないでしょうか?
株式投資やアフィリエイトのような「あくまでも本業のサブ」、という意味合いが強い “ 副業 ” とは異なり、“ 複業 ” には、本業と同じような仕事を持ち、その相乗効果を活かし自己成長する意味合いがあります。
ーなぜ今、複業なのか。
ー多様な働き方の推進が叫ばれているけど、副・複業って実際どうなの?
本コラムでは、個人の働き方の視点だけでなく、企業の視点も踏まえながら “ 複業 ” について綴っていきます。特に企業については、働き方改革推進下の副・複業解禁が大手企業からじわじわと広がっているものの、事例も少なく、多くの企業にとっては手探りかつ半信半疑なのが現実です。そこで企業にとっての副・複業のホンネとタテマエも織り交ぜながら、これからの社会における多様な働き方の可能性について考えていきたいと思います。
企業も個人も、将来への不安と危機感が増している
“フクギョウ” を始めた2人の事例にみる「副業」と「複業」の違い
副業……本業のかたわら別の仕事を持つこと、雇用者であれば勤務先外の業務で収入を得ること、あるいはその仕事自体
複業……業種の異なる複数の仕事を、どちらも本業として兼務するような働き方
実は副業も複業も明確な定義はなく、広義的に言えば「本業とは別に収入を得ること、またはその手段」と意味合いは一緒。ですが、その性格は似て非なるものなのです。実際に副業を解禁している企業に勤める2人を例に、その違いをみてみましょう。
システムエンジニアのAさん。残業規制の影響を受け、収入が減少したことを不安に感じています。そんな時、知人からパソコン教室の講師を依頼され快諾。以降、単発で同様の仕事を請け負い、年収の補てんをしています。このように、本業で不足した収入を補う仕事、これが副業というわけですね。
では、複業はどうでしょうか。
商品企画に従事するBさんは、現在の職務や待遇にある程度満足しているものの、自分の知識や経験を活かして何かチャレンジしたいと考えていました。社会人コミュニティの場で出会った人が偶然にも地方創生プロジェクト発起人だったことから、そのプロジェクトに参画。興味があった広報アシスタントの業務を始めました。本業で培った知識を生かし広報資料を作成したり、プロジェクト内外の人たちと情報や意見交換をするなかでキャリアの深まりを実感するBさん。何より嬉しかったのは、社外活動からヒントを得た新アイデアが本業で形になったことと、それが会社から評価されたことでした。このように、「本業にプラスの影響を与える」相乗効果やキャリアアップを実感できるのが複業なのです。