2019.10.31,

Case.7 「無理をしない」「リスクヘッジ」がモットー。 “意識低い系” 夫婦に学ぶ、引き算思考で心しなやかに生きる方法|真田幸介 × 真田美香

 

 

自分たちの価値観を大切にすれば心が安定する

 

――共働きが当たり前の社会になったとはいえ、まだまだ世の中、アンコンシャスバイアスが残っているように思います。お二人のお話からは「男性だから〜」とか「女性だから〜」といった固定観念や性別役割分担意識が感じれないのですが、そうした思考はもともとですか?

 

幸介: 私はもともとですね。だって、何かに囚われながら生きるのは辛くないですか(苦笑)。

 

――幸介さんの言葉は本当に潔くていいですね。

 

幸介: 私の育った家庭は典型的な「夫は外で働き、妻は家庭を守る」環境だったんですが、平日は全然帰ってこなくて休日は寝ているだけの父と、そんな父に不満を爆発させている母を見て、幼心に「なんか違う」って感じてました。

 

美香:私の両親は働いていて私自身は保育園や学童に行ってましたけど、楽しかったですし寂しさなんてあまり感じなかったなぁ。

 

――実体験や刷り込まれてきた価値観って、大人になってからずっと残りますよね。幸介さんはどちらかというとご両親を反面教師になさっている感じですかね。

 

幸介: 深く考えたことはないですが、「ああはなりたくない」というよりも、やっぱり単純に「2人で働いて2人で家事や育児をしたほうが楽なんじゃないの?」って感じですね。そういう意味で、他人の目や社会の価値観じゃなく自分たちの軸で大切にしたいことを明確にできるのは大事だと思います。

 

美香:周りの目を気にしないというのは本当、大事ですよね。夫婦間で納得してれば、たとえ義理の親や自分の親であっても「私たちはこうだから」って言えるんです。

 

幸介: 私は1年前に今の会社に転職したんですが、職場の人たちは昭和的な価値観の人が割と多くて、奥さんが専業主婦という男性社員が多いんです。もちろん家事はほとんどやってないみたいで。

 

――会社の風土がそうだと、社内で幸介さんが浮いたりしないんですか?

 

幸介: 私はもともと他人の目はあまり気にならないし気にしないタイプなんですが、何でしょうね……やりたいようにやったもん勝ちなんじゃないかって思うんです。育休を取得したのは前の会社でのことですけど、当時もやっぱり「男のくせに育休なんて」とか言う人はいましたから。

 

美香: 自分の価値観に嘘をつかなければ心が安定するんだなって学びました。なんだかんだ言ってもやっぱりママが倒れると家族は大変なので、私はいつも自分の心をある程度快適な状態にしておくように気をつけてます。

 

――幸介さんは普段気をつけていることはありますか?

 

幸介:最初の話に戻りますが、やっぱり妻が働いてくれたら助けになるんでね。協力しながらいい関係を築けるように自分なりにやってます。離婚したら自分の生活が大変になるんで…。

 

美香: 愛情の問題じゃないのね!?(笑)

 

――二本当に仲睦まじいお二人ですね。今日は貴重なお話をありがとうございました!

 

編集部から

取材を終えて、真田夫妻は見ている方向が一緒でどこか戦友のような仲の良さを感じました。いつも「やるべきこと」が溜まっていて、心と体が安らぐ暇がないという共働きパーソンも多い中、積極的に「やらない」選択をして、心と体の健康を保っているお二人。笑顔いっぱいの子育てをされているようすが伝わってきました。

「ワンオペ家事・育児をやってみたら家庭の中が自分ごと化される」という幸介さんの言葉はとても説得力がありました。

「そもそも家庭の中にどんな仕事があるか分からない…」「何から始めていいか分からない…」そんな方は、ぜひ『#共働き方 見える化 未来づくりシート』を活用ください!

 

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