2020.01.17,

Case.8 会社員の妻とフリーランスの夫。互いの可能性を広げるため、時間と機会を創出し磨き合う|佐野 創太 × 佐野 ともよ

 

フリーランスと会社員、それぞれの「向く人 向かない人」

 

――ともよさんは、創太さんの働き方を見ていてどう感じますか?

 

ともよ: 私には絶対できないなって思います。私も営業は経験してきましたけど、会社の力に頼らずに自分の力でクライアントを開拓して仕事を獲得したり、金額交渉するなんてちょっと考えられないです。「見通しが立たない」とか、不安でしかないです(苦笑)。

 

創太: へぇー、そんなふうに思ってたんだ!

 

ともよ: 「不満」はもし出てきたとしても耐えられるけど、「不安」は絶えられないタイプなので…。

 

創太: あっ、それ、 “会社員とフリーランスの違いあるある”  だね。 会社員は、不満は溜まりやすいけど大きな不安はさほどなく、フリーランスはその逆。 だから、不満に耐えられる人は会社員のほうが向いていて、不安定な状況を上手に操縦できたり不安を楽しめるような人はフリーに向くんでしょうね。でも、会社も大きな方針転換があったりして不安もありますし、フリーランスの保障が少しずつ整備されてきたりと、両者の違いは少なくなってきていますよ。

 

ともよ:  なるほど。私は複業は楽しいけど、仕事まるごとフリーランスは無理だなぁ…。

 

――フリーランスって自由で楽しそうなイメージがあるから、会社員の中にはフリーに憧れている人も多いってよく聞きますが…

 

創太: 僕はフリーランスに憧れを持っている会社員の方に相談を受けても「会社員のままで副業やプロボノで自分が興味ある仕事をしてみて、独立の道があるか探すといいですよ」と言うことが多いです。僕が自由に働けるように見えるのも、妻が会社員で家を借りられる社会的な信用力があったり、精神的に支えてくれているからです。勇気があるからリスクの高い働き方ができるというよりも、「いざというときに妻がいるから」という最後の砦を感じられているからです。こういった現実的な、言ってしまえば夢のない話をしています(笑)。

 

――わかります。フリーランスを経験して挫折した人の多くが「現実は甘くなかった」というようなことを言っている気がします。

 

創太: 当にクライアントを選べるフリーランス人材は何かしら “唯一無二” で希少性の高いスキルや経験を必ず持っています。この希少性を見つける際には、僕の場合だと会社員時代の先輩や上司に教えてもらった企画力や交渉力がとても役立っています。そういうスキルがないと下請け的な仕事でしか稼げなくなります。残酷ですが、下請け的な案件しか回せない人は「貧乏暇なし」じゃないですけど、すごく多忙なのに稼げないという悪循環に陥ります。僕も独立して一年目は陥りかけました。単価いくらの案件を何個回すか、みたいな形で仕事をし続けるのは厳しいですよね。

 

ともよ: 会社員にも言えることだと思いますが、健康を犠牲にしてまで働き続けるのは辛いですよね。

 

 

 

Posted by 小山 佐知子

共働き未来大学ファウンダー、ワーク・ライフバランスコンサルタント
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