2020.06.11,

「家族の時間」も大切だけど「夫婦の時間」も欠かせない。コロナ禍で見直した「夫婦飲み」の魅力

こんにちは、プロジェクトサポーター・ライター、どっちもワーカーの村上杏菜です。

この度のコロナ禍で保育園や学校が休園・休校になり、子どもを連れての在宅ワークを余儀なくされたご家庭も少なくなかったのではないでしょうか。

 

我が家でも4〜5月は5歳長男と1歳長女の保育園登園を自粛。夫婦が二人とも在宅ワークできる状態だったのが救いではありましたが、それでも子どもを見ながら仕事をするのはなかなか大変でした。「仕事しないで〜!」と泣き叫び袖にすがりつく子どもたち、三度きっちり用意しなければならない食事、容赦なく迫り来る仕事の締め切り…。思い出しただけで気が遠くなりそうです。

 

我が家では夫婦それぞれがなるべくまとまった仕事時間を確保できるよう、一日の中で「仕事時間」と「子育て・家事時間」とを交代で回す「シフト制」を採用していました。片方が仕事をしている間はもう片方が子どもの相手や家事を行い、割り当てられた時間が来れば交代。これを繰り返すことである程度の仕事時間は確保できていましたが、一つ問題がありました。夫婦が会話できないことです。

 

片方が話をできる状態にあってももう片方は別室で仕事中。やっと相手の仕事時間が終わったと思ったら次は自分が仕事に入る時間です。貴重な仕事時間を1分たりとも無駄にはできないので交代の際にも余計な話をしている暇はありません。結果、家族全員が揃うのは朝・昼・夜の食事と入浴時間、寝る前のほんの僅かなタイミングだけ。しかもその際に夫婦で会話をしようものならすかさず上の子が「それってどういう意味〜?」「あのさ〜」と話しかけてきます。下の子は「あっこ(抱っこ)、あっこ!」と抱っこを要求し、抱き抱えた状態であっちの部屋こっちの部屋への移動を命令してきます。…このような状態ですから世間話はおろか、事務的な会話でさえ厳しい状態でした。

 

「夫婦飲み」でコミュニケーションロスを埋められた

 

そんな私たち夫婦がたどり着いた解決策は、子どもを寝かしつけた後に実施する「夫婦飲み」でした。

きっかけは、夫が取り寄せたちょっと高級なソーセージ。外出がままならない生活のストレスを少しでも軽減するには食を充実させることだと考え、我が家では子どもが喜ぶタコ焼きパーティーをしたり、肉のハナマサで買ってきたお肉ですき焼を作ったり、ふるさと納税の返礼品としてジンギスカンや干物などを楽しんできました。今回、以前夫が出張先で食べたことがあるというソーセージがネット通販で買えることが分かり、この機に取り寄せてみたのでした。

 

しかしこの高級ソーセージ、子どもとワイワイ楽しむというよりは、小洒落たイタリアンバルで出されていそうな、いかにもお酒に合いそうな雰囲気でした。そういえば結婚祝いやらなんやらで頂いたまましまい込んでいたワインがどこかにあった…。でもワインと一緒に楽しむなら子どもと一緒の食事中は難しい。ならば一旦子どもを寝かしつけてから起きてくるしかない。夜は早く寝たいタイプの私ですが「美味しいソーセージをワインと共に食すにはこの方法しかない」、そう考えて記念すべく一回目を開催したのでした。

 

そうして試みた「夫婦飲み」、やってみたら意外と楽しくて驚きました。「両手をテーブルの上に出して食べようね」「あっ、こぼしてる!」「残さないよ〜」などと、神経のほとんどを子どもに向けた状態でかきこむ食事って味もわからないんですよね。しかし子どもが寝静まった時間にゆっくり食すおつまみとお酒の味は最高。しかも夫婦が二人きりで向き合ってお酒を楽しむというシチュエーションが新鮮すぎてテンション上がる。そして何より、思う存分夫婦で会話ができるではないですか!

 

「なんだ、夫婦飲みって意外といいじゃん…」と思った私はつい「またやろうよ」と夫に言ってしまいました。もともとお酒が大好きでいつも一人で飲んでいた夫は「それきた」とばかり「いいね、いつやる!? 」と全力で乗っかってきます。そんなこんなで週に一度、次の日が休みにあたる週末のどこかで定期的に開催する運びとなったのでした。

 

「何を話そう?」すら考えない距離感がいい

ちなみに週末に設定したのは寝不足が仕事に影響するのを防ぐため。保育園の登園自粛で仕事時間はただでさえ激減しています。寝不足や二日酔いでパフォーマンスを落としたくはありません。

 

日にちの設定は夫婦で共有しているグーグルスケジュールを見ながら決めます。週末のうち、どちらかがオンライン飲み会やオンラインセミナーに参加している日を除き、あらかじめ予定を組んでおきます。そうすることで「土曜の夜はワインがあるぞ〜」「美味しいチーズがあるもんね〜」など、週末の夫婦飲みを励みに平日の仕事と子育てを頑張ることができます。

 

我が家の場合、開始時間は早ければ21時、遅ければ23時。そこからだいたい1.5〜2時間程度楽しみます。何時までに終わらせると決めているわけではなく、おつまみを食べ切ったりワインの瓶を空けて飲むものがなくなったりしたタイミングや、夫婦どちらかが眠くなったら終了する感じです。

 

話す内容は時事ネタやネットニュースなどの世間話から「これからの時代の資本主義とは」みたいな答えのないテーマまで様々です。今手がけている仕事のことや、将来のキャリアビジョンについて話すこともあります。一番多いのは子どもの話題で、可愛い仕草や台詞を報告し合うだけでなく「テレビを何時間みせるべきか」「昼間の対応は正しかったか」など、教育方針の擦り合わせみたいなことをすることもあります。

 

こう書くと何だかずいぶん堅苦しい飲み会みたいですが、実態はお互いパジャマ姿のだらけた姿勢で終始「ソーセージ、うま〜! やっぱワインはチリ産がコスパ最高やな!」とへべれけになっている時間がほとんどです。しかし「きちんと夫婦が向き合って会話できた」という実感は残ります。おかげで平日はあまり会話ができなくても「週末があるし」と思える心の余裕につながりました。

 

「家族」の関係と「夫婦」の関係のどちらも大切

 

あくまでうちの場合ですが、保育園登園自粛中のシフト制勤務や家事・子育ての分担などで、夫の家庭へのコミット度は今までより向上しました。「この環境下でも夫婦が協力し合って仕事と子育てを回せている」という実感が家族としての団結力を高めてくれたのはコロナ禍の思わぬ副産物でした。ただし「家族の時間」が増えた一方で減ってしまった「夫婦の時間」。それを「夫婦飲み」で解決できたのは意外な発見でした。

 

しかも二人でワインを飲むという非日常感がちょっとした恋人気分を演出してくれたため、「夫と妻」「男と女」という意識が前よりも強まった気がします。だからどうだという話ではありませんが、これは人生100年時代において、子どもたちが独立した後の関係性を考えるとプラスになりこそすれ、マイナスになることはないと思うのです。

 

6月に入り、子どもたちの保育園通いも復活。現状、基本はリモートワークが続く我が家では、話そうと思えば平日の昼間に話をすることはできます。でも週1の「夫婦飲み」をやめる予定は今の所ありません。スーパーでの買い物ついでにお酒やおつまみを物色するのも楽しいですし、夫婦二人だけの「週末の楽しみ」を励みに、バタバタの平日の日々を前よりも前向きに頑張れるようになった気がしているからです。

 

唯一の注意事項としては、子どもの寝かしつけ中に自分が寝落ちてしまうと中止になってしまうこと。何度もそれで失敗したので、最近ではウェアラブルのスマートウォッチ(4000円弱)を使い、振動のみで知らせてくれるタイプのアラームをセットして寝かしつけに挑むようにしています。こうしておけば寝落ちしても設定時間に目が覚めますし、音がしないので子どもたちを起こさずに済みます。

 

夜は早く寝たいタイプの私がそこまで対策してでもこの習慣を続けたいのは、あらゆる面でコスパ抜群の夫婦のコミュニケーション方法だと感じているからです。お金もあまりかからず(1本980円くらいのワインを愛飲しています)、移動時間もいらず、「相手にワンオペをさせている」と罪悪感を抱くこともないので楽なんですよね。女性としての立場から付け加えるとメイクも着替えもしなくていい点も素晴らしい。サッと始めてサッと終われるので、思ったほど翌日に疲れを引きずることもありません(引きずったとしても仕事をしない土日であればなんとか乗り切れる)。

 

夫婦のコミュニケーションの形っていろいろあるのですね。長く一緒に暮らしていくと新鮮さを失って会話を大事にする気持ちを忘れそうになりますが、その時々の状況に応じて自分たちらしいコミュニケーションのスタイルを築いていけるといいなと思いました。

 

Posted by 村上 杏菜

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