共働きパーソンへのインタビュー、Case.9は、島ご夫妻を紹介します。
プロフィール
【夫】島 征史 (28) 株式会社MAKOTO WILL 執行役員
【妻】島 望 (25) パーソナルメイクアドバイザー
- 居住地:宮城県仙台市
- 結婚年数:2年
- 出会ったきっかけ:友人の紹介
- 長男(1) との3人家族 ※2020年6月現在
妻の望さんは大学時代から女性のライフキャリアについての知見を深め、自身も卒業後すぐに結婚し母になりました。互いの仕事ややりたいことを尊重しながら支え合うおふたり。オンラインによる今回の取材では、息子さんも登場し、終始和気あいあい。自然体な二人からたくさんの元気をもらえました。互いを応援しあう秘訣が満載です。【山田明香里】
“一人暮らしが二つくっついただけ” から家事・育児を分かち合う暮らしへ
――これまでのロールモデル取材は30代が多かったので、20代のご夫婦のお話はとても楽しみです!さっそくですが、征史さんには共働き未来大学が協力させていただいた東洋経済オンラインでの座談会に参加いただきました。「コロナ禍の父親の仕事と育児」というテーマでの座談会でしたが、いかがでしたか?
島 征史さん(以下征史): そうですね。一言で言うと、自分はまだまだ恵まれているなあと感じました。コロナ禍でWFH(Work From Home)になっても、私たちが住んでいる仙台では保育園そのものは開いていましたから。座談会に参加されていたみなさんは、首都圏在住で保育園に通えない方が多かったので大変さのレベルが違うなと思いました。
――WFHで、そこに子育てが加わると負荷は大きくなりますもんね。
征史:座談会でも話がでていましたが、「アンバランスをいかに楽しむか」みたいな視点はみなさん共通してありましたね。特にステイホーム期間は、「こうでなければならない」とどれだけ考えたところで無意味というか。ただでさえ思い通りにいかない育児がコロナ禍でよりアンバランスな状態になったので、そういう意味ではアンバランスを乗りこなすというか、理想を求め過ぎず「こんなもんか」と思うくらいでいいんでしょうね。座談会でも話題に出ていた『ピック・スリー』の考え方はフィット感がありました。
――征史さんはとても子煩悩で家事も育児も当たり前のようにしているイメージなんですが、もともと家事力が高かったんですか?
征史:いえいえ! 結婚前の一人暮らしの時は、本当に生きるのに必要最低限のことしかしたくないタイプでしたよ。部屋も体調崩すレベルでなければいい清潔感、ビジュアル的にはとても汚いレベルで、「キノコが生えているとかはちょっとやだ」くらいの感じで(笑)。ほぼ寝るだけでしたし、ごはんも作らない生活でした。
――キノコ(笑)! 確かに、ほぼ寝るだけだと生活者という意識はあまり持たないですよね。そんな独身ライフから結婚し二人暮らしになると変化を感じるものなんでしょうか?
征史:一言で言うと、 “一人暮らしが二つくっついただけ” という感覚でしたね。お互い仕事をしているので、共有して何かをするというよりは、ご飯もお互いいタイミングが合えば一緒に食べるけれど、基本的には各々自分で用意しようぜみたいな感じでした。
――となると、大きな生活の変化を感じたのはやっぱり産後ですよね!?
島 望さん(以下望):1年後くらいに息子が生まれたので、変化という意味では産後はまさにそうでしたね。息子が生後2週間の時に夫が育休を取ってくれたので、1ヶ月間はあっという間でしたが、とても助かりました。
征史:里帰り出産だったので息子と初めて対面したのは2週間後でしたが、オムツ替えなど教えてもらいながらしていて少しずつ初めての育児に慣れていきました。
――具体的な家事・育児の分担はあったんですか?
征史:半々ぐらいですね。お風呂は自分がして、授乳と寝かしつけは妻がという感じでした。掃除については、お互いの「綺麗の基準」が違うので(笑)、より基準が高い妻にお願いをして、私は料理をやろうということになりました。料理なら多少こだわれるので…。で、今まで料理をしてこなかった人間が1か月くらいやると、目覚めるというか(笑)、習慣化するんですよね。今も、週末は基本私が料理をしています。
――息子さんが1歳になられて、本当にあっという間だったと思います。望さんの仕事復帰もあり、また新しい生活が始まる感じですね!
征史:本来ならこの生活が3月いっぱいまで終わるはずで、春には共働きがスタートするはずでした。でも、そんな矢先にコロナが来ちゃって、彼女の仕事先も煽りを受けてしまいました。
望: 私の仕事は店舗での対面化粧品販売なので、ちょうど店舗の自粛休業のタイミングと重なってしまい、復帰は少し伸びました。