2020.06.24,

Case.9 「何のために命つかうんだっけ?」 やりたいことを応援しあう20代スピード婚夫婦に聞くパートナーシップ|島 征史 × 島 望

互いが求める基準がピタリと合致
出会って8ヶ月で入籍のスピード婚

――お二人は精神的にも経済的にも自立していて、家族になってからは家事や育児も協力し合っていて素敵だなと思います。若いのにすごいなーと感心しかないんですが(笑)、お二人とも結婚願望が強い方だったんですか? 

 

望:私が早く結婚したかったんです。というか、正確にはできるだけ早いうちに出産までしたかったんです。

 

征史:私たちは出会って一週間で付き合い始めて、3ヶ月後に結婚を決めて、その5ヶ月後に籍を入れました。

 

――すごいスピード婚! ちなみに望さんが結婚や出産を早めにと考えた理由は何でしょう?

 

望:理由は大きく二つありまして、一つは将来の介護を見据えてです。母が私を産んだのが39歳の時で、私が成人した時すでに60歳でした。もし私が30歳くらいで第一子を出産すると、場合によっては母の介護と子育てが一緒のタイミングになるのではないかという不安があったんです。正直、私にはその体力がないと思っていたので、早めに子育てしたいなと考えていました。あとは、学生の頃から結婚や子育てに興味があり、社会で活躍する女性とたくさん出会い、お話を聞いていたことも大きかったですね。

 

――望さんは宮城県内の学生が結婚・出産・子育ての魅力発見に取り組むプロジェクトにも参加していたそうですね!

 

望:はい。学生時代から働くママの声を聞けたのは貴重な経験でした。その中で、独身だからできることもあるんだろうなと思ったんです。「ママになると今までできたことができなくなってモヤモヤする」と話すママさんもたくさんいて。「前はもっと存分働けたのに!」とか…。そんなリアルな声を聞いて私なりに将来を考え、「早めに子育てを経験し、できないことの中からできることを探そう!」と思いました。

 

――なるほど! 私の世代はキャリアを積んだ先にライフイベントを考えるのが主流だった気がするのでただただ感心します。

 

望:ママさんのお話を聞き、人生に正解はないんだなとつくづく感じました。だから、最初にライフスタイルを固めて、そこからできることを探すのもアリなんだろうなと。

 

――征史さんには、そうしたライフプランを付き合い始めたタイミングでお話した? 望さんの考えを聞いていかがでしたか?

 

征史:事細かに聞いたという感じはなかったですが、ただ早めに結婚したいみたいな話はありましたね。あとは、私の話はどこまでするかなんですけれども……妻と出会う直前の私はメチャメチャ遊び散らかしていたんですよ(笑)。で、ある程度遊び散らかしたんで、結婚の基準がけっこう明確になってきていて、早く決断できたのはあります。

 

――遊び散らかすっておもしろい表現ですね…(笑)。それにしても、お互い求めているものの基準が明確だったのはいいですね。

 

征史:私自身は特段早く結婚したいとかはなかったですが、そこは条件が明確だったので彼女が結婚したいのならいいかなと。なりゆきで何となくではなくて、お互いの価値観は事前にしっかり確認する必要はあると思います。私たちも、子育ての考え方やお金の使い方と親の介護についてはまじめに話し合いました。

 

――なるほど。スピード婚の裏にはそうした個々の軸とお二人の価値観合わせがあったんですね。ちなみに、征史さんは、少し前まで「彼女」だった女性が母になる過程を見ていかがでしたか?

 

征史:女性ってすごいなと思いましたよ。たとえば産後は母乳中心にしていたこともあり、3時間ごとに起きなければならない中で、私が代われなったのは辛かったですね。今振り返っても大変だったろうなと思います。あとは、妊娠中の体の負担とかも。私の香水の匂いが気になると言われたときは驚きました。人によってはつわりで特定のものしか食べられないいう話はある程度聞いていましたが匂いとかもあるんですね。

 

香水だけじゃなくて体臭も気になりました(笑)。本当、妊娠すると匂いにも敏感になるんですね。通勤中はサラリーマンの匂いとかはかなり敏感で「隣に座らないでー!」という感じでした。そんな感じで産前産後は色々と変化はありましたが、終始夫のサポートがあったのはとても心強かったです。特に里帰りした時に母と意見が合わなかったり、衝突してしまったこともありまして…。そういう時も、一人だったらきっとしんどかっただろうなと思います。

 

――産後は特にママ自身が孤独になりますからね。パートナーの理解とサポートは本当に嬉しいですよね。しかも望さんは大学卒業後早くに出産を経験したので同級生のママ友がたくさんいるというわけではないと思うのですが、その辺いかがですか?

 

まさに同級生で出産を経験した人はいなかったので、大変さを共感してもらえる人が少ないというのはありましたね。とはいえ育児の不安などは先輩のママさんに LINE で相談していたので助かりました。「一人じゃない」って感じることが大事ですよね。夫が1ヶ月間の育休を取ってくれたのもそうですが、仕事もリモートや在宅でできる環境にあったのも大きいと思います。別室で仕事をしているとしても、とにかく同じ敷地内にいるというだけで安心感が違うんです。ママが「一人で子育てしてるんじゃない」と思えるのって大事ですね。

 

Posted by 山田 明香里

新卒で、教育/人材広告会社に入社、現在14年目。​ 2015年に結婚、2017年に第一子を出産。​ 夫と娘の3人暮らし。​ ​プライベートでは、山登り、ハイキングが趣味。​ 共働き未来大学では、主にキュレーター, ライター, クリエイターとして活動。
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