2018.06.01,

6月1日、新卒採用面接解禁!イマドキ就活生の “就職観” と “ライフスタイル像”

売り手市場というキーワードが飛び交う昨今の大学生の “シュウカツ” 事情。6月1日からは採用面接が解禁となり、いよいよ就職活動(以下、就活)も後半戦に突入です。就職情報大手のマイナビによれば、すでに約3割の学生が内々定を獲得(うち入社予定先を決めて就職活動を終了した学生の割合は10.6%)したものの、引き続き多くの学生が自分が納得できる就職を目指し頑張っているとのこと(5月16日現在)。

そんな中、5月18日、文部科学省と厚生労働省は今年春に卒業した大学生の就職率を発表。なんと1997年の調査開始以来の最高値となる98.0%を記録したとのこと! 高い就職率と共に、売り手市場は今後も続くことが予想されています。「人生100年時代」という超高齢化社会を迎え、新しい時代を生きる就活生。彼らのワーク、ライフ、キャリア観を紐解きつつ、改めて「就職とは何か」を考えてみようと思います。

 

出世よりも安定 大手企業志向が高い19年卒就活生

マイナビが行った「マイナビ大学生就職意識調査」(平成30年5月)によると、学生の就職観第1位は「楽しく働きたい」(33.3%)。続く2位は「個人の生活と仕事を両立させたい」(24.2%)、3位に「人のためになる仕事がしたい」(15.0%)、そして「自分の夢のために働きたい」(11.6%)と続きます。一方、「収入さえあればよい」は3.6%、「出世したい」はわずか1.0%にとどまっています。
また、学生の企業選択ポイントの第1位は「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」(38.1%)、2位の「安定している会社」(33.0%)、3位の「給料の良い会社」(15.4%)となっています。

以上のことから

 ・給料が良く安定を見込める大手で、出世はしなくとも自分のやりたい仕事に就きたい
 ・楽しく働き、仕事と私生活のバランスを取りたい

という就活生の本音が垣間見えます。

 

「育児に参加」「残業なし」がカッコいい! 今どき就活生のライフスタイル価値観

ライフスタイルの価値観はどうでしょうか? 同じくマイナビが行った「マイナビ大学生のライフスタイル調査」(同年1月)を見ると、残業や結婚後のライフワークバランスに対する価値観が読み取れます。

●「残業しない」「育児休業」を取得する働き方が理想

「時間内に仕事を終え、一切残業しない」働き方を「すごくかっこいい」と感じる割合は増加傾向に。男女ともに残業を望まず、 “残業しない働き方” を理想とする傾向が高いようです。また、育児と働き方のバランスについて見てみると「時間内に仕事を終え、積極的に子育てする」を「すごくかっこいい」と感じる割合は前年とあまり変わりませんが、「子育てに専念するため育児休業を取得する」を「すごくかっこいい」と感じる割合は増加。特に「子育てに専念するため育児休業を取得する」男性に対して「すごくかっこいい」と感じる女子の割合は、45.4%→49.0%→53.4%と年々増え、今年初めて半数を超える結果となっています。

出典:2019年卒マイナビ大学生のライフスタイル調査

●男女とも「結婚しても共働き」希望が増加

「夫婦共働き」を希望する割合は、男子48.7%、女子69.5%。女子の方が若干多いものの、男女共に結婚後も共働きを希望する割合が高いことが分かります。厚生労働省の「専業主婦世帯と共働き世帯の推移」を見ても、今の就活生が生まれた1996年以降は共働き世帯が専業主婦世帯を常に上回っている状態。「親が共働き」という環境下で育っている人が多いため、「共働き」という働き方を当たり前に感じているのかもしれませんね。

 

大手企業を狙うも内定はやはり狭き門

以上の調査から、 “出世や起業よりも自分のやりたい仕事ができ、結婚後に共働きを希望” する学生が多いことが分かります。そのため安定を望める大手企業での就職を狙う学生は後を絶たない模様。
リクルートワークス研究所によると19年卒の大卒求人倍率(注)は前年と比べ0.10ポイント増の1.88倍と売り手市場。ですが5000人以上の大手企業はというと、その約1/5程度の0.37倍まで落ち込み就職難。一方、300人未満の中小企業では9.91倍と採用難となっています。依然として大手企業への内定獲得は狭き門であり、超売り手市場なのは中小企業に限った話なのです。

 

3年以内に2人に1人が転職する時代

売り手市場で楽勝だと思っていた就活にもかかわらずなかなか自分が希望する企業に就職できない――。理想と現実とのギャップに苛まされている学生も多いのではないでしょうか。新卒で入社したにも関わらず、すぐに退職や転職をする人はどのくらいいるのでしょう。
厚生労働省の調査によると、平成26年3月卒業・4月入社の大卒かつ卒業後3年以内に退職した人の割合は32.2%となっています。つまり、新卒の約3人に1人が入社後3年以内に離職。そして無期雇用から無期雇用への転職は46.9%と、約2人に1人の正社員が転職しているのです。
その理由として同じく厚生労働省が平成25年に行った調査では下図のような理由が挙げられています。

 定年前に転職しようと思う理由別若年正社員割合(複数回答) (定年前に転職しようと思っている若年正社員=100)

厚生労働省 平成25年若年層雇用実態調査より作成

このデータからも、もはや1社に定年まで勤めるという価値観はなく、転職自体が当たり前になっていることが浮き彫りに。転職の動機として、より働きやすい環境で仕事に就きたい、将来性のある企業で長く働きたい――といった安定志向が顕著であるものの、自分のスキルアップを図りたい――など、ライフキャリアを見据えた理由が目立ちます。

 

 

就活は自分の将来を決める大事な活動です。にも関わらず、ついつい焦って内定獲得こそが一番の目的になってしまいがち。ですが、それは自分のやりたい仕事という軸で選ぶ “就職” ではなく、就活を終わらせるために会社を選ぶ “就社” になってしまうのですよね。「自分のやりたい仕事をしたい」と入社したはずが、「あれ、やりたい仕事ができない」「思っていたのと違った」とすぐ転職……となりかねません。だからこそ、自分のキャリア軸を見つけ、その軸で就活をすることはとても重要なのです。

……と偉そうに書いているものの、わたしは学部卒業後、院に進み業界新聞社に “就社” したクチです。ただ、そこで「編集」というキャリア軸を見つけ、その後出版社2社に “就職” 、現在(フリーランス)に至ります。仕事第一の20代から結婚・出産を機に仕事と生活とのバランスが取れなくなりどん底を味わった30代前半。悩み苦しんだことがあったにしろ、今まで満足のいく生活ができているのは「編集」というキャリア軸があったからこそ。「人生を自分で選択している」実感がもたらす日々の満足感は想像以上のものです。

以前のコラムでも書きましたが、これからは、誰もが人生100年を生きるために “働く” 。だからこそ “働く” を通し、自分らしい生活、そして生き方を選択するのだと思います。それは決して卒業して初めて入社する企業だけでが決まるわけではありません。人生はとても長いのです。今キャリア軸がなかったとしても、これから見つけるための就社だって決して間違いではありません。就活に失敗などないのです。

この先就活生のみなさんが、もし “就社” で理想とのギャップに悩み転職を考える時があったとしたら。もしライフステージが変わったことで仕事に疑問を感じることがあったとしたら。その時、間違いなくあなたの人生を支えるのはあなたが選んだ、あなただけのキャリア軸――。このコラムを目にした就活生の方が壁を乗り越える際の選択肢のひとつとして心の片隅に留めておいていただけると嬉しいです。

 

 

【注】大卒求人倍率…リクルートワークス研究所が毎年算出している新卒就職における基本指標の一つ。企業の求人数を就職希望者数で割り、民間企業への就職を希望する大学生1人当たりの求人状況を示すもの。数値が高ければ就職しやすく、数値が低ければ就職が難しい。

【参考】
リクルートワークス研究所 第35回ワークス大卒求人倍率調査

マイナビ 2019年卒 マイナビ大学生就職意識調査

2019年卒マイナビ大学生のライフスタイル調査

厚生労働省 平成30年3月大学等卒業者の就職状況

新規学卒者の離職状況
平成25年若年層雇用実態調査

Posted by Yamada Ikuko

編集&ライター業のママフリーランス。会社員の夫とともに「わが家らしい共働きスタイルってなんだろう?」と日々模索中。