2019.03.15,

人生100年時代を生き抜くために不可欠な “スキルアップ”  子どもがいても学ぶチャンスを逃さないで

こんにちは! プロジェクトメンバー・ライターの今井明子です。

皆さんは、いま、スキルアップに取り組んでいますか?

 

スキルアップというと、資格を取ったり学校に行ったり、ということを思い浮かべるかもしれませんが、何も仕事上の知識や能力開発ための勉強だけではありません。

長い人生を生き抜くための “バージョンアップ” とでも言いましょうか……
本を読んだり、講座やイベント、シンポジウムなどに参加したり、会社以外の人脈を広げるための外出もスキルアップ(のためのアクション)だと私は思います。

 

とはいえ、普段、仕事と育児に追われていると、なかなかそうした時間を捻出するのは難しいものです。

そもそも、職場の雰囲気によっては「スキルアップ? 意識高いね~〜」とバカにされることも…。

 

それでもやはり、スキルアップは欠かせないと私は思うのです。

そう考えるのは、私がフリーランスだからでしょうか。

 

 

得意なことで専門的に仕事をするため挑んだ気象予報士試験

 

私は、新卒で会社で働き始めてから常にスキルアップのための勉強を欠かしたことはありませんでした。就職氷河期ということもあって、希望していたマスコミ業界に新卒では入れず、転職を繰り返してようやく今の職業につくことができました。そのために、業務の傍ら転職に必要な知識を学んだり、資格を取ったりしてきたのです。

 

自分の中でもっとも労力をかけた資格試験が、気象予報士試験です。

なぜ、気象予報士の資格を取ろうと思ったのか。

それは、会社勤めをやめたことで、人生で初めてまとまった勉強時間が取れるようになったからです。

 

編集プロダクションを辞めてフリーランスになった当初、すぐには十分な仕事が入ってきませんでした。そこで、暇な時間を有意義に使おうと考えました。

何かの勉強をするには、仕事の役に立つものがいい。そもそも、フリーライターとしてどの方面を専門にすべきなのか。空いた時間を使って専門性を高めるための勉強をしよう!と思いました。編集プロダクションでさまざまなジャンルの仕事をしていた私には、これといった専門性がなかったからです。

 

しかし、得意な分野はありました。それは医療をはじめとする理系分野です。編集プロダクションでは、文系のスタッフが多く、理系の仕事は「言葉になじみがないので頭が痛くなってくる」といって敬遠される傾向にありました。しかし、私はそこには抵抗がなかったので理系分野の仕事は私にばかり回ってくることが多かったのです。それで、いつの間にか理系分野の実績だけは積みあがっていきました。

 

この実績を生かして、ゆくゆくサイエンスライターと名乗れるようになればいいな。そのためには、見るからに理系だとわかる肩書がほしい。

そう考えたときに、子どものころからずっと気になっていた気象予報士の資格にチャレンジしてみようと思ったわけです。

昔から自然が大好きで、気象通報を聞いたり、天気図を見たり、レーダー画像とにらめっこしたりするのが好きでした。高校生のときに、自分とさほど年の変わらない人が合格したニュースを聞いたときから、なんとなく気になる資格でしたが、忙しさの中でいつの間にかあきらめていました。

 

そういうわけで、気象予報士の勉強を始めたのですが、合格率が非常に低いこともあり一筋縄にはいかず。毎日2時間ずつ&週末に数時間ずつ勉強していましたが、合格できる気がしません。しかし、運よく2回目の試験で合格。そして合格通知を受け取ったときに、1人目の子どもを妊娠していることもわかりました。

今考えたら、このタイミングで合格できてよかったと思います。子どもが生まれてみると、気象予報士試験の勉強時間は到底捻出できなさそうだったからです。

 

スキルアップは自身のキャリアのためならず!
家族にとっての「未来への投資」と心得て堂々と周りに頼ろう

 

気象予報士の資格を取得した後も、私は何かしらのスキルアップを続けています。

というのも、気象予報士の資格は、取得しただけではまったく使えないからです。天気予報の技術や、気象の研究最前線のことを常に学び続けていないと、「気象予報士」という肩書で発信することは難しい。ですから、平日昼間はもちろん、休日や夜間に講習会があるときも、夫に子どもの世話を頼んで出かけていきました。

おかげで、気象関係の記事や書籍の仕事の依頼が来て、サイエンスライターと名乗れるくらいの専門的な仕事が増えていきました。

 

しかし、2人目の子どもが生まれたあとは、そうして夜間や休日に気軽に子どもを夫に預けて出かけるのはさらに難しくなりました。

ワンオペで1人の子どもの面倒を見るのはまだしも、2人は相当きつい。それがわかっているだけに、どうしても夫に遠慮してしまうのです。

 

そんな状態でも、1つだけは夫に無理をお願いして講座を受講しました。それは、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会の主催する講座です。

医療系の記事の依頼は常にありましたが、ちょうどいいかげんな医療記事が問題になっており、正しい医療知識や、情報リテラシーを今いちど学んでおかないと信用問題に関わるのではないかという危機感がありました。そんなときにこの講座が開講されることを知って、これは受けなければいけないと感じたわけです。初回の講義は産後1か月目。悩みましたが、夫に「月1回だけ、夜に出かけさせてほしい」とお願いしました。

 

幸い、夫は私のスキルアップの重要性をわかってくれている人なので、月1回は子ども2人のお迎えに行き、寝かしつけまでのワンオペをしてくれました。

夫の会社は遠方なので、子どものお迎えに間に合うためには早退しなければいけません。子どもが病気でもないのに、会社員の夫の貴重な有給を使わせてしまうことは心苦しかったのですが、それでも快く受講させてもらえたのはありがたいと思っています。

 

フリーランスのスキルアップは命綱

 

子どもが生まれてからのスキルアップは、家族にも負担をかけることもあるので、「勉強したい」と言い出すことに躊躇するものです。

しかし、それでもスキルアップはしておいてよかったと思っています。というか、スキルアップをし続けているからフリーランスとして延命してきた感があります。

 

2回の出産を経て実感しましたが、フリーランスは、やはりある程度は出産を機に仕事がなくなるのです。

妊娠がわかってあからさまに仕事を切られたこともありますし、育休明けに担当者に挨拶したら、制作体制が変わって外部ライターに発注しなくなったり、媒体自体がなくなったりしたこともありました。また、担当者が異動や退職などでつながりが切れてしまうこともしばしばでした。

 

しかしこれらに「マタハラだ!」と憤慨しても無駄なエネルギーを使うだけ。なくなった仕事は、違う仕事を粛々と取ってきて埋め合わせすればいいのです。

そのときに何かの講座を受講しておくと、何らかの形で仕事につながります。講座で学んだことが企画のネタになりますし、運が良ければ主催者とつながりができて仕事をもらえることもあるからです。

 

とはいえ、子育て中は何かと配偶者にも負担がかかることなので、何を学びたいかは吟味しないといけません。それを学ぶことで仕事が増えそうか、仕事の幅が広がりそうか。要するに投資は確実に回収できそうなのかは考えておく必要があるでしょう。そしてそれを相手にもきちんと説明して納得してもらうこと。これについては、日ごろから夫婦の間で仕事に対する意識合わせをしておくとよいのではないでしょうか。

 

最後に。

フリーランスの立場から綴ってきましたが、スキルアップの重要性は会社員であっても変わりません。

急な転勤や介護などで離職をよぎなくされたとしても、会社に依存せず積み上げてきたアクションがあれば、「自分」として十分戦えるのですから。

そのために、自信をもって周囲に頼りましょう。後ろめたい気持ちなんか抱かずに、自信をもって出かけましょう。今すぐでなくともそのせいかは必ず自分に、そして家族の元に返ってくるのですから。

Posted by 今井 明子

酒メーカー商品企画部、印刷会社営業職を経て、2004年より編集者&ライターに。2012年に独立。気象予報士の資格を生かし、母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。 家族は夫と2014年生まれの長女と2018年生まれの長男。
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