ドライに考えて、離婚する可能性だってゼロじゃない
夫婦だからこそお互いが最強の応援者でいたい
――先ほど、望さんの復職がコロナの影響で少し後ろ倒しになるというお話もありましたが、出産前の仕事やその前の職業選択を振り返って何か感じることなどはありますか?
望:はい。結婚・出産するタイミングで自分が何の仕事をしているかというのは、すごく大事だなと思っています。美容部員として百貨店で接客販売してみて分かったんですが、思っていたよりも時間の融通が利かないのと時短が取れなくて…。私はそれで退職の道を選んだのですが、そういったところを事前にもう少ししっかりリサーチしておけばよかったと反省しています。
産後も働くにせよ、辞めるにせよ、次にどういう道がありそうなのか、事前にある程度のルートを調べておけば、産後「私は何ができるだろう」とか「何をしたいんだろう」ということで必要以上に悩まなくて済んだのかなと思います。
――新卒で入った会社をそうした理由で退職されたとはいえ、子育てもある中、冷静に次のキャリアを考えて次の仕事を決めたのはさすがだなと思いますよ。
望:コロナの影響で4月からの社会復帰はできませんでしたが、第二新卒として化粧品会社に正社員で入社することになっています。また、同時に複業という形でフリーランスのメイクアドバイザーとしても活動し始めています。
――複業とはすごい!
望:もともとフリーランスとして働きたいと思っていましたが、社会人経験と美容分野の経験が少ないため、会社員として働く中で経験を積みたいと思ってこの働き方を選択しました。とはいえ、そんな矢先のコロナだったので、結果的に今はフリーランスとしての活動が主軸になっていますが。いずれにしても、将来に向けたリスクヘッジという意味も含め、複数の仕事を持っていたいと思っています。
――お二人は、互いのキャリアや仕事に対してどんなふうに思っていますか?
征史:やりたいことをやって欲しいと思っています。というのも、私の今メインの仕事の一つが、起業したい人と起業して間もない人のサポートなので。何のために時間や命そのものをつかうのか、みたいなところが明確になっている方が人生楽しいと私は思っています。
――何のために命をつかうのか…。とても本質的な問いですね。
征史:妻に対しても、やりたいことを実現させるサポートをしたいと思っているんです。これも結婚の条件じゃないですけど、結婚相手を選ぶときの一つの基準だったと思います。やりたいことをやっている人が好きなので、「専業主婦になりたいので養ってください」 と言われれば 「他を当たってください」 ってなりますね(苦笑)。
――収入面で共働きのほうが安心、という話はよく聞きますが、「やりたいことをサポートしたい」という理由は本当に素敵です。
征史:収入面ももちろんありまが、これは彼女とも話していることなんですが、ドライに考えて日本の離婚率はなかなか高いんです。誰も離婚すると思って結婚していないと思いますが、だからといって将来離婚しないとは言い切れないじゃないですか。そうなった時に、夫だけの稼ぎでやっていたら、別れる時まずいでしょ、と思います。
望:社会人経験がまだ少ない私にとって、「自分の好きなことやったらいいんじゃない?」と言ってもらえるのはありがたいです。複業体制で仕事するなんて言ったら、普通の旦那さんなら「仕事が先だろ」とか、「子育てもあるのに中途半端になるんじゃないか」とか言いそうじゃないですか。あとは放任で「好きにしたら?」と言うのではなく、起業サポートのプロとしてアドバイスもくれるのもありがたいですね。
征史:夫婦といえど考え方はお互い真逆だったりするので、夫婦だけれども新しいことを教え合えるような関係でいたいですね。
――島さん、今回はとても貴重なお話をありがとうございました!
取材を終えて島夫妻からは、ともに補い合いながら、それぞれがやりたいことをどんどん推し進めていくパワフルさを感じました。家族が同じ方向を見て、これからもますます一緒に進んでいき、さまざまな発見や経験の中で柔軟に人生を生きていく島ご夫妻のお話をまた何年後かに伺ってみたいです。
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