「今年は働き方改革、断行の年にする」――。
強い信念を口にした安倍首相の言葉で幕を開けた2017年。その「働き方改革」でひときわ注目を浴びている働き方があります。そう、フリーランスです。
そもそもフリーランスとは??
実は日本では「フリーランス」の明確な定義はありません。が、フリーランス初の実態調査結果をまとめた経済産業省「小規模企業白書2015年版」において、
“小規模事業者の中でも、特に、常時雇用する従業員がおらず、事業者本人が技能を提供することで成り立つ事業を営み、自分で営んでいる事業が「フリーランス」であると認識している事業者”
を「フリーランス」としています。そして勤労形態は8割強が主業。つまり、副業で働く人は少なく、自身の技能を武器に(プロフェッショナルとして)、雇われることなく仕事を請け負う個人、という意味合いなのでしょう。ですが、近年このフリーランスの概念が広がっているようです。
広義に解釈され始めたフリーランス
クラウドソーシングの大手プラットフォーマーのランサーズ株式会社が発表した「フリーランス実態調査2017」によると、現在日本のフリーランス人口は1,122万人。労働力人口に対し17%を占めています。昨年と比較すると5%増ですから、いかにフリーランス人口が増えてきているのかが分かります。
また同調査では、日本における広義のフリーランスを以下の4タイプに分類しています。
前述したフリーランスに加え、副業やパラレルワーカーも加わった“広義フリーランス”の内訳はどうなっているのでしょうか。
フリーランス実態調査2016,2017より作成
2016年、2017年ともに一番多いのは「副業系すきまワーカー」。次に「自営業系独立オーナー」、「複業系パラレルワーカー」、「自由業系フリーワーカー」と続いていきます。
ここで注目すべきは副・複業系が前年と比べて増加している点です。“フリーランス”という働き方はここ数年で主業から副・複業に大きく動いているのです。
政府が2019年度からの実現を目指している「働き方改革」では兼業・副業を推進する旨が明記されているため、今後多くの企業が副業容認に舵を切る、と予想されています。したがって、「副業系すきまワーカー」、「複業系パラレルワーカー」はさらに増加していくものと考えられます。
フリーランスになる経緯や向き合い方は人それぞれ。ですが、フリーランスと名乗り、ある程度の収入を稼ぎ出している人たちは、専門的な技術や知識を持ち、自分でこの働き方を選んだ覚悟を持っているように思います。
もし、あなたがフリーランスという働き方をしてみたいと思ったら。その職種を知ることで、自分の知識やスキル、経験を活かせる仕事が見つかるかもしれません。
次回のコラムではフリーランスの職種・年収についてご説明したいと思います。
【参考】
- 小規模企業白書2015年度版
- ランサーズ株式会社 フリーランス実態調査 2016, 2017