こんにちは!小山佐知子です。
“共働き子育て家庭の「暮らす」「働く」「育つ」が叶う家づくり” というテーマで我が家のリノベーションプロジェクトを連載でお送りしています。
前回引き続き、第2回目のきょうは「中古マンション×リノベーション」を選択した理由について綴っていきます。
雰囲気にのまれた “マンションのテーマパーク”
結婚しもうすぐ10年。我が家は未だに賃貸マンション暮らしです。
今回、中古マンションを購入しスケルトンリノベーション(骨組み以外をまるごと替える大規模リフォーム)することになりましたが、ここに至るまで、実は何度かマンション欲しい!の波がありました。
最初の波は結婚2年目のとき。よく言われる「賃貸の更新料ってもったいないよね」という理屈で初めて地元の新築分譲マンションギャラリーに行きました。
聞いてはいましたが、モデルルームに行くと欲しい気持ちにブレーキが効かなっちゃうんですよね。ファミリー層向けの大型マンションの場合、マンションギャラリーはもはや「マンションのテーマパーク」のよう。シアタールームにジオラマ、有償オプションがたくさんついたオシャレなモデルルーム……ワクワクの妄想が止まらなくなりました。
いま冷静に考えれば、テーマパークを楽しむことと購入を真剣に検討することは全く別ものだと分かるのですが、当時すっかり雰囲気にのまれてしまった私たちは、「今の賃料と比べてみてください」という売り手の殺し文句も相まって、その場でサインしかけたり。(本当に無知でしたし、何も考えていなかったなぁ)
暮らしを具体的にイメージできるか?
一度目の “住活” は完全に社会見学に終わったものの、その後も2年ごとに賃貸マンションの更新シーズンが来るたび「買う?買わない?」の議論が起きては消え。
私たちは4年間の不妊治療で多額のお金を失った経験もあり、住宅購入はいつしか非現実的なものになっていました。ただ、私はもともとインテリアや図面が好きだったので、新聞折り込み広告の物件情報やフリーペーパーをよく眺めていました。また、仕事でマンションギャラリーに行く機会もあったので、自然と不動産について勉強するようにもなりました。
そしていつしか思うようになったのです。新築分譲マンションはないな、と。(※あくまで個人の感想です)
新築分譲マンションの間取りやプランはどれも似たり寄ったりで、住み手の意思が反映される余地はあmりないように感じました。最初こそワクワクしたモデルルームもすっかり飽きて、図面や仕様書を見てもその画一性にワクワク感はゼロ。何よりそこで暮らす家族の姿が全くイメージできなかったのです。
もちろん、どの新築分譲マンションも間取りは複数パターンありますし、決して個性や多様性がないわけではありません。
そして、やっと気付いたのです。高いお金を払う以上、ハコ(空間)ありきではなく、住まう人ありきで考えたいのだと。
私は14歳のときに札幌にある実家の建て替えで「家づくり」を経験したことがあります。両親と弟妹の5人家族が住む家を父が素人なりに図面を引き家族会議をしながら作りました。持ち家だからこそ ハコ(間取り)に家族を合わせるのでなく家族にハコを合わせたい。そんな“住む人ファースト” な価値観に改めて気付いたのです。
注文住宅じゃなくても実現できる “自分たちらしい” 住まい
そんなことを考えていると「もはや選択肢は注文住宅しかないのか……」と急に現実味がなくなりテンションも急降下。都市に住む共働きの私たちは、交通面や環境面(ライフスタイル)、購入価格のバランスを考えれば戸建住宅は無理があると感じていたからです。
そんなこんなで頭打ちになっていた矢先に浮上したのが「中古マンション×リノベーション」という選択肢でした。
リノベーションは最近ポピュラーになってきた印象がありますが、私が知ったのはまだ市民権を得ていなかった5年前のこと。名古屋で飲食店を経営する友人が中古マンションを購入し、店舗改装専門の会社に自宅のリノベーションを依頼したと聞いたのがきっかけでした。家の中がカフェみたいな友人の家を訪問したときの驚きと感動は今も忘れられません。
これをきっかけに中古マンション購入のポイント(物件の構造やメンテナンス状況など)を学びました。
埼玉県さいたま市(浦和)、築19年、総戸数25、66平米、6階建ての1階、角部屋、テラスと庭付き(使用料なし)、元の間取りは3LDK、最寄り駅徒歩3分、約2,000万円
同平米数の近隣新築マンションの相場は3,900万〜6,900万程度なので、リノベーションの予算(上限700万円に設定)を足しても新築物件を購入するよりもかなりコストを抑えられました。
共働きなので2人で住宅ローンを返済でき、月々の負担も大きくありません。先行き不透明な時代に無理して多額の住宅ローンを抱えてしまうのは不安でしかないですが、これなら趣味や旅行にお金を使っても家計はちゃんと回りそうなので一安心です。
一つ注意しなければならない点を挙げるとすればリノベーションの予算をズルズルと引き上げないことくらいでしょうか。(自由度が高い反面、欲を言いはじめるとキリがありません)
これから始まる家づくり、とても楽しみです。
次回は家づくりの設計とコンセプト決めについて綴っていく予定です。