2018.05.10,

vol.15 家族3人 70平米以下でも「ゆったり」暮らす工夫 

こんにちは!小山佐知子です。
“共働き子育て家庭の「暮らす」「働く」「育つ」が叶う家づくり” というテーマで、昨年の秋より我が家の家づくりプロジェクトを連載でお送りしてきました。

 

さて、第15回目のテーマは、「都市圏に住む共働き家族の暮らしとゆとり」です。

 

都市圏の中でも特に東京の住まいは世界的にみてもかなり狭い!という印象がありますが、そもそも人が住むのに最低限必要な面積というのはあるのでしょうか?ふと疑問に思い調べてみると、国が基準値*を出していることがわかりました。
*解説記事としてこちらがわかりやすかったので参考までどうぞ!

 

「豊かな暮らし=広い家」という固定観念を捨てて見えたもの

私は、人が育った環境というのはその人の考え方や価値観に影響すると考えています。vol.2  、vol.4 で触れたように、北海道でのびのびと育った私には、(戸建であれマンションであれ)家=100平米が当たり前という感覚がありました。なので、東京の人が70平米台のマンションに家族4人で住んでいる実情など最初は信じがたかったですし、勝手な私の先入観で「東京の人はかわいそう」とすら思っていました。今思えばひどい話です。

 

実際に、私が首都圏で家を購入する立場になると、いろいろな面で 現実 が見えてきました。物件価格の高さや土地の少なさ(そもそも90平米超の物件は少ない)などです。結果的に私たち夫婦は浦和で築19年のマンション(66平米)を購入したわけですが、住環境や立地はともかく、当初、私個人的にこの66平米という “狭さ” だけは納得しきれませんでした。

 

でも、幼馴染の建築家に「66平米が狭いというのは単なる決めつけ」と言われて目から鱗が落ちました。一緒に開放的な家づくりを進めていくうちに、私の中にあったさまざまな固定観念が払拭されていきました。リノベーションした家に住んで半年。今では「66平米で3人暮らしは決して狭くない!」と断言できます。むしろ、ものすごく快適でストレスフリー。住んでみると、豊かな暮らしと家の広さは全く関係ないということを実感しているのです。

 

不動産屋さんの言葉でも世間の基準でもなく、「家族の価値観を掘り下げることに心地よく暮らすヒントがある」と知った今、去年の自分を本当に情けなく思います。


13畳のリビングダイニング。「見せる(魅せる)収納」や大容量の納戸で空間はスッキリ。3人家族には十分です。

 

  • 家にいる時間が少ないのに家に多額の住宅ローンをつぎ込むのはばかばかしい!
    夫婦は共働き、子どもは日中保育園(成長したら小学校)と考えると家にいるのは主に平日夜と休日くらい。その時間を快適に過ごせられれば基本OK!在宅ワークも毎日ではないと考えると、家をコンパクトにするほうが光熱費もかからず合理的。住宅購入にたくさんお金をかけるよりも、旅行や外食や息抜きにお金を回し忙しい日常とのバランスをとったほうが賢こそう。

 

  • モノを溜めなければ部屋も気持ちもスッキリ!
    スペースがあるとついついモノを溜め込んでしまうけれど、収納スペースが限られていれば否が応でも整理整頓をします。不要になったモノは売るor 廃棄で断捨離ぐせをつけると気持ちも部屋もスッキリです。

 

  • 収納は基本的に魅せる!
    リビングの壁面ライブラリーや造作キッチンは「見せる収納」にしました。“魅せる” を意識するだけで余分なモノは減り、かつモノがインテリアの一部になるので統一感が出て(生活感は減って)スッキリします。

 

  • 客間はあえて作らない!
    いつやって来るかわからない客人のためにわざわざ1部屋設けるのはムダ。みすみすデットスペースをつくるくらいならばそのスペース分を家族が日常的に使うリビングに充てました。

コンパクトに暮らすという贅沢

子どもがいる家庭では「子ども部屋」の存在も気になるところです。子どもが小さいうちはおもちゃで遊ぶプレイルームとして、そして子どもが小学生になったら勉強部屋に…。でも、これもまた刷り込まれた価値観だったと気づきました。

おもちゃ専用のお部屋などなくてもリビングで十分遊べるし、真夏と真冬以外は庭にテントを置けば恰好の遊び場兼秘密基地に!

 

息子が小学生になれば、造作したワークスペースを活用してもらう予定ですし、中学生になって個室が必要になれば納戸をさらに手を加えて「部屋化」する予定です。

 

今回はスケルトンリノベーションでしたので、最初から66平米でも開放的に暮らせる間取りを自分たちのライフスタイルと重ねて考えていきました。そのため、コンパクトでもゆったりとした暮らしができています。

 

仕事をしていても、暮らしをしていても行動にストッパーをかける固定観念は恐ろしいですね。忙しい日常だからこそ、「こうあるべき!」という気持ちを一旦俯瞰して「なんでそう思うんだろう?」と問い直してみたいものです。

購入当初は手付かずで雑草が生えまくりだった庭もきれいになりました。

夫と協力して人工芝を敷き目隠しにラティスを設置すると第二のリビングにように開放的な空間になりました。最近は、ここにテーブルと椅子を置いておやつや夕食を楽しんでいます。

 

きょうもお読みいただきありがとうございました!
このコラムが何かのヒントになれば幸いです。

Posted by 小山 佐知子

共働き未来大学ファウンダー、ワーク・ライフバランスコンサルタント
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