はじめまして。8月から共働き未来大学にプロボノとして参加しています、青地 広信です。
妻と1歳になる娘と3人で都内に住んでいます。妻は育休を終えて8月から職場に復帰し、私は6月半ばから4ヶ月間の育児休暇を取得し、現在進行形です!
本格的な「共働き」になるのはもう少し先になりそうですが、共働きの当事者として、男性目線で記事を書いたり、イベントなどにも関われたらと思っています。
9月7日に行われた、江東区のセミナーのようす。共働き未来大学で企画運営し、パネラーの一人として登壇しました!(写真右)
共働き未来大学のプロボノ参加のきっかけは、やっぱり育休取得の経験からですね。
まだ 1ヶ月ほど残っていますが、この育休経験が、もうすばらしくて。
男性育休の本質とは??
妻にとっても、子どもにとっても、そして何より自分にとっても意義のある期間になっているという実感があります。だからこそ、男性育休がもっと身近になれば、多くの家族にとって人生がより実りあるものになるんじゃないかなと思っています。
とはいえ、盲目的に男性育休を勧めるつもりはありません。
なぜなら、価値観や状況は人それぞれ、家族それぞれだから…。
パパの育休取得が必ずしも「解」になるとも思いません。
育休を取らなくても、すでに上手に家族でチームを組んで共働きしている夫婦もたくさんいらっしゃいます。今やイクメンも多いですしね。育休は手段でしかないので、「育休を取ることで何を得たいのか」、「どんな時間にしたいのか」、という目的をまず整理した上で取る・取らないを決めればいいんじゃないかなと思います。
男性育休の本質とはなにか。
男性(夫)の家事育児への参加?
女性(妻)のキャリアサポート?
家庭内役割分担の見直し?
どれも正解だと思いますが、私にとっては『自分らしく生きる・人生を実りあるものにする』ために必要な期間です。「人生100年時代」といわれる中、“多様な生き方” を実現しようと思ったら、パパの育休取得は夫婦にとってとても貴重な機会になると思います。だからこそ、取得したい時に躊躇なく選べる選択肢として男性育休が存在する世の中になってほしい。
そう思って、プロボノ活動を始めました。
育休取得を考えている男性、あるいはそのパートナーへ
「4ヶ月の育休、よく取りましたね!」と言われます。
私も、そもそも育休を取るかはどうかはとても迷いました。
取り組んでいる仕事のこととか同僚・関係者のことがありましたので。
悩みに悩んだ末に、最終的には「家族との時間を大切にしたい!」「今しかできない選択をしないことで後悔したくない!」という想いで決断しました。(実はもっと悲惨な動機もありますが、それはまた別のお話。。。)キャリアへの不安はあまりなく。むしろ育休を取ったことで、育ボスになれるし、タグが付いたし、このプロボノの機会も得られたし、多様な働き方の可能性が広がったと思います。
「育休を取得されてどうですか? 何が変わりましたか?」とよく聞かれます。
育休取得前の私は、“自分なり” に、家事育児を “サポート” していました。
“自分なり” の家事とは、たとえばトイレ掃除やお風呂掃除、ゴミ出しなど。それから子どもを沐浴させたり離乳食を食べさせたりと育児もしていましたが、家事育児の “サポート” と表現している時点で当事者意識はなし…。
家事力は低く、イクメンを装いたいけど装えていない。仕事で使っているパワーと時間をもうちょっと家庭に活かしてよ、と妻に思われてもおかしくないそんな「非イクメン」でした。
そんな私が育休を取り、今ではワンオペはもちろんのこと、妻任せだった保育園のことや病児保育のこと、予防接種や区のサービスについて自分で理解し行動するようになりました。これって、スキルや知識の問題でもありますが、やっぱり意識なんですよね。
当事者意識がまったく違う。
育休取得前と今ではまったく別人です(笑)
家事育児をする立場を経験したことで自然と起こった変化であり、しかも当事者になると、家事育児を自分ごととして自ら工夫するようになるんですね。
妻の指示のみで動いているより絶対楽しいわけで。
これがまた当事者意識を強化するという好循環が生まれました。
それから、「育休は大変ですか?」とも聞かれます。
時期や環境にもよると思いますのでこれはあくまで私の場合ですが、私にはポジティブな感情ばかりです。家事育児が大変だと感じたことは一度もありません。
- できなかった家事ができるようになる
- 相変わらず料理はできないけど、コープデリが助けてくれる
- らくちんレシピも助けてくれる
- 段取りがよくなる
……そんな成長が嬉しかったり。
さらには知らなかったサービスを知り、これまで接点のなかった方々と接し、視野やつながり、そして世界が広がる。新しい刺激がたくさんなんですよね。
そりゃあ、保育園で手足口病をもらってきたり、急に高熱が出て心配したり、クリニックに駆け込んだり、寝かしつけようとしたらそのまま自分も寝ちゃって後悔する日々が続いたり…..そんな家事育児中心の生活にはなりますが、家事育児や合間にできる自分の時間を楽しむかどうかは本人次第。
それから、何より家族との絆。
パパママ育休プラスという制度を活用して育休を取得したわけですが、制度の趣旨の通り、夫が家事育児に参加し、その分妻の負担は軽くなります。そうなれば、過度に妻に負担が集中することなく、仕事やそれ以外のことにより力を割けるわけです。妻が職場復帰した際は、産休前と業務内容が変わっていたので緊張感もあったようですが、わたしが家事育児を担当している分、過度にストレスをため込んでしまうような状況は避けられました。
そして、子どもとの時間。
一緒にいる時間が長い分、当然、娘がなつきます。保育園に迎えに行けば満面の笑みでトコトコトコッとすばやいハイハイで駆け寄ってきます。仲良し父子^ ^
1歳の子どもは覚えていないだろうけど、私にとってはかけがえのない時間。育休期間にともに過ごした時間があったからこそ、これからの子どもとの時間の過ごし方も変わってくるのでは、と思います。
妻のキャリアや自己実現、子どもとの関係性、わたし自身の豊かな時間の過ごし方……
これらって育休を取っている今この時だけでなく、未来にもポジティブな影響を与えるわけで。だから本当に育休を取ってよかったなと心から思います。
『家族の幸せの総和を増やす』。
私が育休期間を振り返って頭に浮かんだ言葉です。
妻にとっても、子どもにとっても、そして自分にとっても実りある人生にするために。あぁ、そのための育休なんだなと。男性による育休取得はそんな『家族の幸せの総和を増やす』きっかけを与えてくれる機会だと思っています。
終わりに
私の育休取得を後押ししてくれた言葉とか、逆にモヤモヤすることとか、ご紹介したいエピソードはまだまだありますが、それはまた別の機会に。
(※11月2日に共働き未来大学で男性育休イベントを行いますので、ご興味ある方はぜひいらしてください!)
最近では小泉環境大臣の育休取得に世間の耳目が集まっていますね。国会議員の育休取得はあれど、大臣の育休取得は他の国でも聞いたことがありません。安倍首相、小泉環境大臣の考えは? わたしの予想は1週間の育休の取得。意義のある育休という意味では短いですので、ほとんどパフォーマンスですが。とは言え、「さすがに取れないんじゃないか?」と思われがちな大臣という立場で取ってこそ、男性育休促進の流れを加速させるのでは。「会社の偉い人が育休取得することでほかの社員も取りやすくなった」の日本国版ですね。期待しましょう!
2019年9月18日
青地 広信